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「働き方改革」は何故今なのか。少子高齢化の対応はできているのか

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働き方改革とは

働き方改革。あなたの会社ではどう取り組んでいるでしょうか。
今、流行り言葉のようになっているこの「働き方改革」ですが、何故、今「働き方改革」なのでしょうか。そもそも「働き方改革」とは何でしょうか。

今日は、この働き方改革が出てきた背景と考えを記載します。
文:WAWAワーク編集部 ITコーディネータ濱田

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働き方改革をご存知ですか

働き方改革は、「過労死を防ぐために、長時間労働の抑制や有給休暇の取得を行う」そのように認識されている方もいます。
もちろんそれも重要です。しかし本来の働き方改革は、少子高齢化社会に挑んでいくための「経済改革」であり「経営改革」です。

またこの問題については、日本の構造的問題である少子高齢化が起因しているため、よくありがちな「流行り言葉だから、放っておいても大丈夫」というようなことは、今回に限って起こりづらい問題です。

きちんと考え、早めに実行に移していくことが必要な改革なのです。

少子高齢化と一億総活躍社会

働き方改革を理解するためには、少し前に遡ります。

日本の構造的問題である少子高齢化について、真正面から取り組むために政府より「一億総活躍社会」の実現が掲げられました。
そして平成27年10月15日、内閣官房に「一億総活躍推進室」が作られ、以降「一億総活躍国民会議」の開催を経て、平成28年6月2日に、「ニッポン一億総活躍プラン」が閣議決定されました。

この「一億総活躍社会の実現」という枠の中から、「働き方改革」は派生していますが、その一億総活躍社会という考えは下記のようなものです。


首相官邸ホームページ 一億総活躍社会の実現「一億総活躍社会とは」より
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/ichiokusoukatsuyaku/#m012

・若者も高齢者も、女性も男性も、障害や難病のある方々も、一度失敗を経験した人も、みんなが包摂され活躍できる社会
・一人ひとりが、個性と多様性を尊重され、家庭で、地域で、職場で、それぞれの希望がかない、それぞれの能力を発揮でき、それぞれが生きがいを感じることができる社会
・強い経済の実現に向けた取組を通じて得られる成長の果実によって、子育て支援や社会保障の基盤を強化し、それが更に経済を強くするという『成長と分配の好循環』を生み出していく新たな経済社会システム

つまり、少子高齢化社会の日本において、従来の「男性中心、正社員中心、会社に出勤しての勤務を中心」にするのではなく、性別・年齢だけでなく、正社員と同じように働けない人や家庭に事情がある人を含め、多種多様な人に生きがい働きがいを感じてもらい、積極的に働いてもらえるようにしよう、ということです。

少子高齢化と労働力人口の減少

少子高齢化による人口減少について、様々なニュースで報道されていますが、どれだけ人口が減るのでしょう。下記グラフをご覧ください。


日本人口推移
(出典)2010年までは国勢調査、2015年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」の出生中位・死亡中位仮定による推計結果


このグラフのように人口は減少していき、また高齢化もどんどん進行していきます。
2025年には5人に1人が75歳以上、3人に1人が65歳以上に。2060年には4人に1人が75歳以上、2.5人に1人が65歳以上になると推計されています。

この後、若い働き手(労働力人口=15歳以上で働く意思、能力のある人)がどんどん減少していくのは間違いない話です。

働き方改革は、少子高齢化時代を生き抜くためのチャレンジ

働き方改革は他人事ではない

少子高齢化による人口減少問題は、「後継者がいなくて廃業する」「従業員・パートがいなくて業務に制約がかかる」など色々な問題が出てきます。
例えば自分の会社で働いている人が、今後10年で2割減り、平均年齢が7,8歳くらい上がる、と思ってみてください。
他人事ではなく感じられると思います。

働き方改革を理解して取り組む

重ねて書きますが、年齢、性別や個々の事情に関係なく、それぞれの能力を発揮して活躍できる社会が一億総活躍社会で、それを実現させるために行われるチャレンジが働き方改革です。
「長時間労働」のみの是正では、従業員減少の中、少なくなった人の分まで働く必要が出ることにつながり、数年後には長時間労働の復活という状況に戻ります。
働き方改革とは、長時間労働の抑制だけが目的ではないと理解してください。

働き方改革は、決して流行りなどでなく、労働力人口が少なくなっても国や会社を支えるようにするための改革です。
つまり、国としては経済改革。企業としては経営改革です。

労働力人口減少時代に企業が生き残るために、ぜひ積極的に取り組んでください


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