部下を持った時に知っておきたい「育てる仕事のまかせ方」
プレイヤーとして、ただ一生懸命目の前にある仕事をこなしていればよかったあなた。
部下を持ち、仕事をまかせる立場になったとき、あなたはうまく仕事をまかせることができていますか?
上司としての責務の一つは、部下を育てるということです。今日は部下を育てるための「まかせるマネジメント」のお話しをします。
WAWAワーク編集部 原川
部下を持つということ
上司として最も大切な仕事は部下を育てるということです。
そのためには、部下に仕事をきちんとまかせなくてはいけません。
部下の失敗を恐れるあまり、仕事をまかせることができない。もしくは、まかせた後にいちいち細かいことにまで口を出してしまう。
そのようなことでは、部下の成長は望めません。
もしかすると、部下に仕事を奪われてしまうと思い、仕事をまかせることができない。そういう場合もあるかもしれません。
どちらの場合にしても、その結果すべての仕事を自分一人で抱え込んでしまうことになってしまうのでは、上司失格です。
上司という立場になったときに必要な力。その一つは間違いなく「マネジメント力」です。
失敗を恐れず、部下に仕事をまかせる。
まずはそのような「まかせるマネジメント」を身に着けましょう。
部下にまかせるということと丸投げは違います
では、部下に仕事をまかせるとき、どうすればいいでしょうか。
「まかせた」の一言で、"なにもかも自由にやっていいよ" ということはいわゆる「丸投げ」です。
この「丸投げ」と「まかせる」はまったく違います。
部下に「頼むぞ」と言ってまかせた。だからあれこれ細かく口出ししない。
その気持ちはわかりますが、その結果、部下に「丸投げされた」と受け取られてしまっては元も子もありません。
では、部下に仕事を任せるときに気をつけることは何でしょうか。
部下に仕事をまかせるときに伝える4つの条件
丸投げにならない仕事のまかせ方で大切なことは、必要最小限の条件を設定して、後は自由にやらせるということです。
その時に次の4つの条件を伝えることが大切です。
1.期限
2.優先順位
3.目的・背景
4.完成イメージ
1.期限の設定
いつまでにという期限の設定をします。
期限の長さによっては、あいだにいくつかマイルストーンを設け、中間期限を作ります。
この期限に従って「報告を受ける」。報告が無ければ「催促する」。
そのことで少なくとも、進捗ごとの丸投げにはなりません。
2.優先順位の設定
「他の仕事と比べた時の優先順位」を伝えます。
また「この仕事の中で優先すること」を伝えます。それは品質なのか、スピードなのかといったことです。
この仕事は、他の作業と比べてどれだけの優先度があり、またこの仕事は何を優先して取り組めばいいのか。それを設定して伝えます。
3.目的・背景の設定
どういった目的と背景で、その仕事をまかせるのかを伝えます。
これを伝えることで「言われたことを言われたようにやりました」といったただの「作業」ではなくなります。
仕事の目的や背景が理解できていれば、作業がうまく進まないときの工夫や代替案が生まれますし、またそのような発想は成長につながります。
案外伝えられないことですが、この目的・背景、つまり作業の全貌は伝えるべきです。
4.完成イメージの設定
完成イメージを設定します。
社外に向けたもの、社内で共有するだけのもの。
完璧なもの、ラフなもの。
どのレベルが求められるのかといった設定です。
「いいようにやっといて」では、完成したものは人によって差が出ますし、何より工夫して仕事をする、という成長にはつながりません。
さいごに
部下に仕事をまかせたものの、心配のあまりつい口出しをしてしまう。
要領の悪さが目について、ついダメ出しばかりしてしまう。
そういった気持ちは封印しましょう。
設定するべきことを設定し、しっかり伝えることができたら後は部下にまかせる勇気を持つべきです。
「まかせるマネジメント」では、部下に設定を明確に伝え、上司として口を出す部分と口を出さない部分をはっきりと線引きしておきます。
そして、口を出さない部分においてはどんなに効率悪いことをやっていようとも口出しはNGです。