業務効率向上をねらうIT活用を失敗させない3つのポイント
「業務効率化」という言葉。最近よく耳にしませんか?
また、「業務効率化にはIT活用」「ITを活用すると業務効率化ができる」といった話も耳にします。
業務効率化についてITを使って進めたいと考えているけれど、イメージが曖昧すぎて正直よくわからない。そんなビジネスパーソンのために本日は、業務効率化とIT活用についてお話ししていきます。
業務効率化と働き方改革
「業務効率化」の前にある言葉が「働き方改革」です。
2018年6月29日に成立した働き方改革法案は、2019年4月1日ついに改正法が適用開始されました。
働き方改革関連法の「項目概要」の中には、残業時間の「罰則付き上限規則」と5日間の「有給休暇取得」の義務化があります。
「働き方改革」が実現されると社員にとって働きやすい環境となり、企業イメージのアップも期待できます。その反面、労働時間の短縮によって少なくなった限られた時間で、今までと同じだけの仕事をこなさなければなりません。
そこで「働き方改革」を進めていくためには企業全体の生産性向上が必要不可欠であり、「業務効率化」が重要となってくるのです。
※生産性とは、投入したリソース(インプット)に対してどれだけの成果(アウトプット)を出せたのかという指標であり、業務効率化とは生産性を高めるための施策です。
IT不在の業務効率化には限界がある
それでは「業務の効率化」を行うにはどうすればいいでしょうか。
「業務の効率化」を進めるにあたっては、個々の努力や業務の見直しが重要なのは当然のことです。ただ、個々の努力や単純な業務の見直しには限界があるのも事実です。
さらに、労働力人口が減少傾向にある中では人員の確保も難しくなってきており、人の数に頼った業務の見直しもできません。
つまり、「業務の効率化」を進めていくには、人手を減らすためにITツールの力を使うことが必要不可欠になります。
ITツールの活用により、少ない人員で安定的に業務のスピードアップを図るというわけです。
とくに情報管理はITツールの得意分野です。ITツールを活用することで、手間も時間もかかっていた作業を早く正確に行えます。
ITツール導入を成功させる3つのポイント
現在、「業務効率化」に役立つITツールは数多く販売されています。
それらをうまく利用することで、今まで多くかかっていた時間やコストを圧縮し、生産性を上げることが可能となります。
しかし、ただやみくもに導入するのではなく、目標を設定したうえで適切なITツールを選択することが重要です。
せっかく導入したITツールが業務効率を改善することなく終わった。そうならないようにする、ITツール導入にあたっての3つのポイントを説明します。
1:現場と決める <IT活用で業務効率向上するポイント>
貴社でも、今までいくつかITツールを導入してきたことと思いますが、このようなことはないでしょうか。
・社長が、このITツールがいいと決めてきた
・他社も導入しているITツールだから決めた
・他のITツールと機能を比較して、機能が多いから決めた
・価格が一番安いので決めた
この選定基準だと、自社に合うのか合わないのかすら判断に入っていない場合があります。また、ITツールの導入が目的となっており、効果がはっきりしていないという点も問題です。
それらを防ぐために、まずは現場と下記を決めていきます。
1.現在、どの業務にどれだけかかっているかを計る(業務の見える化)。
2.ITツールで業務効率を上げる業務を決める。
3.ITツールを導入した場合、どれだけ効果が見込めそうかを考える。
効果については細かく分析しづらいかもしれませんが、こと業務効率化であれば、シンプルなもので構いません。たとえば、1人の業務時間を月1時間短縮できそう、のようなものです。
それができれば、具体的にツールを選定していきますが、本当に効果が出そうか、というのを現場とすり合わせます。
ここで重要になるのが、部分最適と全体最適の考えです。
1人が1時間の作業短縮ができたとしても、5人が30分効率悪くなるのならどうでしょうか。全体を眺めても、IT活用で業務効率を上げられるような業務であり、ITツールでなければいけません。
他に気をつけなくてはいけないことは、自社で使いこなせるのかどうか、です。決して高機能だからいい、他社も使っているからいい、というわけではありません。
例えば、一般道を走るのにレーシングカーは不要でしょうし、普段乗っている車のメーターに、飛行機のコクピットのような様々なインジケーターが並んでいるのも不要でしょう。
同じ業種や会社規模でも、業務の内容やITへの理解度もそれぞれ異なるはずです。なんとなく高機能なものは、運用を始めると邪魔になることが多々ありますので、注意が必要です。
当然と言えば当然ですが、自社の業務を効率化するので、実際に業務をおこなっている現場の意見は重要です。
2:ITツールの選定は価格だけでは決めない <IT活用で業務効率向上するポイント>
導入するITツールの選定には、かかる費用も選定材料となりますが、価格だけで決めてしまわないようにすることが2つめのポイントです。
無料のITツールでも、かなり使えるツールも多いのは事実です。反面、使い勝手に癖が合ったり、サービス廃止や変更があったりと、使い続けるのにリスクもあります。
無料や安価なITツールは選択するな、というわけではありません。ただ、効果と費用を合わせて検討すべきです。
最近ではサブスクリプションモデル型のサービスが多く出ています。特にクラウドサービスに多いのですが、このようなITツールの場合、月額いくらという費用計算ですので、効果との比較はしやすいと思います。
※サブスクリプションモデルとは、モノを買い取るのではなく、モノやサービスの“使用権”を一定期間借りる(契約する)というビジネスモデルで、“定額制サービス”を指すことが多いです。
例えば、1人月額500円のITツール。社員50人で使うとなると、月額25,000円と少々の費用負担のように見えますが、社員1人ひとりが月に30分以上の業務時間が短縮できるならどうでしょうか。
会社全体で25時間の時間が浮く。こうなれば、月額1人500円(50人25,000円)でも十分に成果は出ていると思います。
価格だけでなく、効果と成果のバランスで見極めてください。
3:ITツールの定着は教育とPDCA <IT活用で業務効率向上するポイント>
導入してすぐに結果が出るITツールはありません。
道具の使い方がわかるということと、活用できているということには大きな違いがあります。
「業務効率化」は短期的に実現できるものではなく、長期的な視点で取り組むことが必要です。
導入したITツールが定着するまで、PDCAサイクルを正しく実施し継続的に効率よく取り組んでいきましょう。
お勧めするのは、プロジェクト化です。
「IT活用プロジェクト」を立ち上げて横断的に組織を作り、下記のような活動を行います。
・ITツールの研修、啓蒙活動
・ITツールを使って業務効率化ができた成功事例の報告(社内や社外事例)
・ITツールの利用状況を確認して報告、または是正
このことで、ITツールは社内になくてはならないものとして定着していきます。
さいごに
繰り返しますが、「業務効率化」にはIT活用が不可欠です。
IT導入がゴールではなく、IT活用がゴールです。ポイントを下記にまとめました。
・ITツール導入にあたっては、目的、適用業務と範囲、目標(効果)を現場の意見を聞きながら決める。
・ITツール選定にあたっては、費用と効果を合わせて考える。
・ITツールは導入で終わりではなく、定着するように仕組みを作る。
では、どうしても成果が出ない場合はどうするか。
もったいないから使い続けるのではなく、合わないと思えばやめるという決断も重要です。
以上ですが、ITツールの運用は定着させて成果をだすことに意味があると理解してください。
さいごになりますが、弊社アイアットOECでは、業務効率化クラウドサービスの提供をしています。
初期費も安くて運用開始までの時間も短い特徴がありますので、よろしければ下記リンクよりご覧ください。
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