地域密着営業とは
営業活動においては、企業によって活動範囲は違います。日本全国がターゲットのサービスや商品を販売している会社もあれば、世界規模で展開している企業もあります。
ワールドワイドにビジネスを展開している企業も多いですが、中小企業の中には地元に密着して事業を行っている企業も多いです。
地域密着営業とは、各地域にターゲットを絞りその中でビジネス拡大を行っていく手法です。大手企業も各主要地域に支店や事業所を置き、ビジネス展開を行っている企業は多く、もともと地元でビジネスを行っている企業にとってはビジネスの拡大が難しくなってきているのが現状です。
今回は地元に密着して営業を行っている企業がどのようにビジネスを拡大していけばよいか?参考なる取り組みをご紹介致します。
地域密着営業の課題
インターネットの普及に伴い、どこからでも物が買える時代になった今、地域密着のみで営業している企業はビジネスの拡大が難しくなっているのは現実です。
例えば、昔は何か物を買いたいと思うと、もともと取引をしている会社から購入を第一に考えていたかもしれませんが、今はインターネットで検索すれば商品の比較や口コミなどを参考に自分たちに一番メリットがあると思わる商品を簡単に購入できてしまいます。しかもそのほうが購入金額が安いことは多いです。
また商品自体も差別化が難しくなり、より一層価格競争になってきています。そのような環境の中でどのようにビジネスを拡大していくか地域密着営業を主体に行っている企業では、課題に思われている経営者や営業部門は多いのではないでしょうか。
地域密着営業でビジネスを拡大するための取り組み
ビジネスを拡大するためには、当たり前ですが自社の取り扱いをしている商品やサービスを多く販売する(数を増やす)か販売単価を上げる事を考える必要があります。
自社の取り扱いしている商品や営業スキル、投資ができる範囲などによりどちらを注力していくか?またどのように進めていくか具体的に考えていくことをしなくてはなりません。
それでは一つ一つ具体的に掘り下げていきましょう。
数を増やす取り組み
自社の取り扱い商品を多く販売するためには、まずは販売先を増やすことが必要になります。しかしながら新規で顧客を増やすことはなかなか難しい時代になってきております。新規顧客の獲得が難しいのであれば、今度は販売できる商品数を拡大していくことで、販売数を確保できるようになります。
このように数を増やすためには、新規顧客開拓をするか?販売商品を増やすか?取り組みを具体的に進めていく必要があります。
新規顧客を開拓する
新規顧客を開拓するためには、販売エリアの範囲を広げる方法があります。しかし販売エリアを広げるには営業担当者の行動範囲が広くなり従来のような顧客との対面営業が難しくなります。新規顧客を開拓するためには、下記のようなどのエリアに販売拡大するか?営業スタイルや取り扱い商品に合わせ選択していくようになります。
- 全国へ向けた営業活動へのシフト
- 近県での営業展開
- 現状の販売エリアでの新規顧客獲得
地域営業でビジネスを拡大するのであれば、現状の販売エリアでの新規顧客獲得を考える必要があります。
その時に重要なのが、そのエリアにどれぐらいのターゲットとなりえる企業があるのか?そのターゲット企業にどのようにアプローチをかけるか?などを考えて行く必要があります。
具体的には、ターゲット企業の数がそれなりにあるのであれば、今度は集客方法を考える必要があります。ミニセミナーなどでの集客を行い、新規顧客をターゲットに営業をかけるやり方もあります。または、取り扱い商品によっては、飛び込み営業などでも有効な手段になるかもしれません。
具体的な取り組みを決め、実行していく中でPDCAを回していくことが重要になります。
販売できる商品数を増やす
新規顧客開拓が難しいと判断したのであれば、販売数を拡大するためには販売できる商品を確保していくことが必要です。自社の新商品の開発や他社の商品を販売店として販売するなど、自社の現状からどれを選択するか決める必要があります。
当たり前ですが、既存の顧客が中小企業がメインなのであれば、大企業向けの商品を扱ったとしても意味がありません。具体的に自社の顧客を把握し、どれぐらいの販売が期待できるか?予測をする必要があります。
販売商品を決めると次に営業担当者はその商品についての知識を習得する必要があります。どのようなメリットがあるのか?どういった企業に提案できる商品なのか?営業担当者で共有していくことが必要になります。
実際の営業活動に移し、営業活動を管理しながら提案進捗や顧客の反応を計測していきPDCAを回していくことが重要になります。
販売単価を上げる取り組み
販売単価を上げる取り組みは、商品を販売する際にプラスして販売できるようにする必要があります。単純に販売金額を上げるだけで売れるのであればいいですが、それは難しいのでしょうか。
例えば、パソコンを販売をしているのであれば、プラスして設定や保守などのサービスを必ず提案する。パソコンだけでなくセキュリティ商品などもプラスして紹介するなど、関連性の高い商品やサービスをプラスして提案する取り組みを普及していくことで1案件あたりの単価を上げていくことができるようになります。
地域ならではの強みは忘れずに
地域密着で営業を行っている場合は、地域密着ならではのメリットはあります。そのメリットを最大限に活用したビジネスへの取り組みが必要になります。
一番のメリットは人間関係になると思います。対面での営業活動がしやすく、顧客との信頼関係を築きやすいメリットがあります。
信頼関係は営業の基本であり、信頼関係を構築することで、お客様も本音で話をしてくれます。またこちらからの提案を真剣に考えてくれるようになります。
このような信頼関係は地域密着での営業の方がインターネットよりはるかに構築しやすくなります。営業の効率化を意識する必要もありますが、この地域ならではの強みを生かした、営業活動を実施していくことで大手に負けない営業力で対応ができるようになります。
営業担当者以外の販売経路も検討
定期的にお客様先にサポート要員などが訪問するような機会がある企業では、サポート要員なども商品の紹介を行うことで、お客様からの商談が生まれることがあります。定期的に訪問しているので、場合によっては営業担当者より人間関係が構築できている可能性もあります。
またこういったサポート要員の話のほうが営業的な話が少なく、お客様も自然に話を受け入れやすくなる傾向もあります。このような営業以外の販路も地域密着営業の中では有効的に活用ができるようになります。
顧客情報を管理
地域密着で営業展開を行うのであれば、特に顧客情報を把握しておく必要があります。業種や従業員数などの一般的な情報以外にも信頼関係から聞き出した、お客様の課題や今後の方針など、営業活動における重要な情報を聞き出すことができます。
このような情報も共有できるようにして自社の取り扱い商品を効率的に紹介し、確実に既存顧客へ拡販していく取り組みは重要になります。地域密着営業ならではの情報を活用して、ビジネス拡大を行っていくことでインターネットや大手企業に負けない成果を出していくことができるようになります。