営業マンが簡単に値引きに応じてはいけない理由と対処法
営業マン時代、これは上からかなりキツく言われていたことです。
とは言っても、他の会社も値引きをしてくれるし、自分の会社もやってるし…という人は多いと思います。
今一度、値引きをしてはいけない理由を解説します!
文:WAWAワーク編集部マルオ
目先の契約欲しさにやる「値引き」のデメリット
値引きに応じてくれる営業マンってけっこう多いですよね。
予算がない時はありがたいな~と思う反面、衝撃を受けることもしばしばです。
特に、広告費は水モノと言われるとおり、新聞でも雑誌でも、ほぼ必ず値引きがききます。
「掲載費は80万円です」と言うので値下げを交渉したら、
上司に電話をかけるでもなく、電卓を叩くわけでもなく、
「じゃあ60万円でいいです」なんてポンと言われたことがあります。
この時私は、実は見積もりに満足しており予算もあったのですが、
「ちょっと言ってみた」だけだったんです(ごめんなさい)。
なので、自分で言っといてなんですが、絶句しました。
最初の80万円は、何なのでしょうか。
「定価なんて適当です」と言うようなものですよね。
この営業マンは、どうしてもその日のうちに契約をとりたかったのでしょう。
一刻も早くトイレに駆け込みたかったのかもしれません。
でも、営業マンは簡単に値引きに応じてはいけないというのが鉄則。
安易な値引きは、デメリットだらけなのです。それが下の4つです!!
1 値引きしないと売れなくなる
100円セールをやりまくっている某ドーナツチェーン店さんの例は有名ですよね。
「定価で買うのがバカバカしい」というお客さんが増えてしまったのです。
昨日まで100円だった同じもの、今日150円で売れないのは当たり前です。
しかも、セールの頻発は悪影響しかありません。
どうせすぐに100円セールになるとバレてしまったら、今すぐ買わなきゃ!という緊急性がなくなるからです。
セールによる一時的な売り上げ増という効果は、どんどん薄くなります。
結果的に、定価の時もセールの時も、両方売れないという最悪なことが起こります。
2 価格競争に巻き込まれ、下げ続けるしかなくなる
一度下げると、価格を上げる根拠を示しにくいし、お客さんも納得しません。
同業他社の価格に合わせる値引きというのは、よくありますが、これもおすすめしません。
ライバル会社がさらに値引きをすれば一発で負けてしまうし、
お互いの首を絞めて業界をダメにする泥試合でしかないからです。
価格競争に巻き込まれると、本来大切にすべき「商品やサービスの質での勝負」がなおざりになります。
売り上げが落ちるから、商品やサービスの向上にお金もかけられなくなります。
3 同僚も値引きに走るようになる
自分一人の問題ではありません。
前例を作ってしまうと、会社の他の営業マンも値引きに走ることになりがちです。
「自分が契約を取れないのは定価で売っているせいだったんだ」
「値引きで件数を稼いでいるやつはズルい」
「あいつが60万円で売ったのなら、そこまでは下げていいということか」
部署内にこんな認識が広まり、誰もが値引きをするようになったら、全体での売り上げは大きく減少するでしょう。
4 定価で購入してくれた顧客の信頼を失う
迷いに迷って買った、8万円のカシミアコート。
次の日にセールになっていて、同僚が同じものを5万円で買ったと知ったら?
セールを教えてくれなかったお店に対してガッカリしますよね。
すでに定価で買ってくれている顧客が値引きを知った時、どのような反応をするかは想像の通りです。
安易な値引きは自分の首を絞め、会社に損害を与える
以上のことから、目先の利益にとらわれて値引きをする行為は絶対ダメなのです。
売り上げを立てなきゃ!
と会社の利益を求めている行為のようですが、本質は違います。
「自分の成績や評価」という利己的な利益を優先しているに他なりません。
それでも、値引きで得られるメリットもあります。
会社の未来を変えるような大口顧客だったら値引きをしてでも獲得したいですし、
「値引き可能な期限」を設定することで、検討中の顧客に決断を促す効果もあります。
どうしても値引きが必要な時は、上手な値引きの仕方で値引きに応じましょう。
上手な値引きの応じ方
・内訳を細かく説明して値引きの根拠を示す
・値引きする代わりに提供できるサービスを削る
本来定価は適正であること、値引きに上限があること、をわかってもらえます。
そうすれば、今回値引きに応じるとしても、「次も値引き」「常に値引き」を要求させない抑止力になります。
まあ、常に値引きを要求する人っているもので、そういう人は「1円でも安くなればラッキー」「言わなきゃ損」くらいに考えていたりもします。
取引先なんて鼻クソ扱い、win-winなんてはなから眼中にないという証拠なので、
そういう会社さんとはお付き合いしない、というのもアリだと思いますよ!
それではまた!