インサイドセールスとテレアポはこう違う
近年、インサイドセールスが注目を集めています。
少子高齢化時代、営業マンが十分に確保できない企業も多いでしょう。
また働き方改革の推進で、営業マンの働く時間を短くさせている企業も多いでしょう。
営業マンが減る、営業マンの労働時間が減る。だけど売上は向上させたい。
そういう反する思いにはどう対応したらいいのでしょうか。
そのような現状を改善させる一つの策が「インサイドセールス(内勤営業)」です。
今日はインサイドセールスとテレアポの違いについて記載いたします。
文:WAWAワーク編集部 濱田
インサイドセールスとは
インサイドセールスを一言で言うと、「営業の役割を一部引き受ける内勤営業」のことです。
細かくは別機会に紹介しますが、インサイドセールスの役割の一つとして、「営業につなぐためのアポを取る業務」があります。
では、同じ「アポ取り」を役割とする業務「テレアポ」と「インサイドセールス」はどう違うのでしょうか。
目的・目標の違い
まずは目的や目標について比べてみます。
テレアポの目的と目標
テレアポはその名の通り「電話をかけて、自社の商品やサービスを説明し、アポをとる」ことを目的としています。
そのため、中間目標が「架電数」で、成果目標が「アポ数」になることが多いと思います。
つまりテレアポは、「アポ」を増やすという施策ですが、商談の量を増やすメリットがある反面デメリットもあります。
それは、「商品・サービスに興味の無い人を営業に引き合わせてしまう」ということです。
つまり、50人とアポをとったものの「商品・サービスに興味がある人」が2人しかいなかった。そのような場合も発生します。
結果、商談の質が上がらず営業が忙しくなるだけで受注数の増加にはつながらないということが起こり得ます。
インサイドセールスの目的と目標
インサイドセールスは、テレアポのように単純にアポを取ることを目的とせず、「商談につながるお客様」のアポを取るということを目的とします。
多くの企業のインサイドセールスは目標値に「MQL(Marketing Qualified Lead)」という言葉を使います。
このMQLは「マーケティング(インサイドセールス)が、絞り込んだ優良な見込み客」のことで、多くの場合は「インサイドセールスが営業に引き渡してもいいと判断したお客様」ということです。
テレアポが営業に引き渡すのは単純に「アポ数」。インサイドセールスが営業に引き渡すのは「MQL」。
考え方の違いが文字の違いにも現れていると思います。
そのために、インサイドセールスは「電話やメールでの受け答え、Web閲覧状況やセミナーなどのイベントへの参加状況」など総合的にみて、商品・サービスに興味がありそうな人を絞り込み連絡し、アポをとって営業に引き渡します。
つまりインサイドセールスは、営業やマーケティングと連携し、「商談につながる可能性のあるお客様」を営業へ引き渡す。そのことで「営業もお客様も、不要な訪問や提案で貴重な時間を使う」ことがなくなります。
期間の違い
テレアポとインサイドセールスは、期間にも違いがあります。
短期勝負のテレアポ
テレアポは、リストアップされたリストに関して総当たりで電話をかけて、○×を付けていく。
そのような短期のアポ取りが主です。
中長期で勝負するインサイドセールス
対してインサイドセールスの活動は、中長期に渡ります。
お客様がまだサービス・商品に興味が無い場合は、無理にアポをとって成果とするわけではなく、そのお客様に合う情報をお出しするように努めます。
商品情報ではなく、業界情報であったり活用事例であったり、お役立ちセミナーであったり、と、お客様の役に立つ情報を提供するのです。
そのように、売り込むことなく有益な情報をお出しすることで、将来、購入のタイミングが来た時に、自社サービス・商品を候補として考えていただくような関係を作る。
そのような中長期的な取り組みがインサイドセールスです。
さいごに
テレアポは「短期の量」にこだわり、インサイドセールスは「短期の質」を積み重ねて「長期の量」にこだわる。
そのような違いがあります。
決してテレアポを否定するわけではありません。
もし今、営業の手が空いているなら、テレアポもありです。
ただ、営業は忙しくしているのに受注数が頭打ち。そのような場合は、インサイドセールスの導入は営業効率を大きく変える施策だと思います。
もしご興味がありましたら、インサイドセールスに取り組んでみてはいかがでしょうか。