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働き方改革プロジェクトは、大きく考え小さく始める

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「うまく進まない」
働き方改革を推進していて、そういう悩みを持つ人が多い現状があります。今回は、全社で進めるデメリットと、小さく始めるメリットをご案内します。

~WAWAワーク編集部 ITコーディネータ濱田~

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大きく考えて、小さく始める

過去記事で、【常識を疑う!働き方改革を推進する3つの社内改革とは】で、働き方改革は、業務改革、労働改革、意識改革が必要という記事を書きました。

働き方改革を推進するためには、社内規定の変更や、業務フローの見直し、意識を変える啓蒙活動など幅広い活動が必要となってきます。

それらを進めるのに、全社一斉に号令をかけて行う方が効率がいい、と感じてスタートしてしまう経営者がいます。
もちろん成功する場合もありますが、迷走する可能性の方が多くあります。
今回は、そのあたりを記載します。

大きく始めて失敗する部分

1:進捗が見えなくなる

目標としているところにどれくらい近づいたのか。目標とのギャップはどれくらいか。
対象が多いので、全体の進捗が掴みづらくなります。

2:現場が見えなくなる

経営者がトップダウンで行った指示は、部門管理者までは「成果が見られる」となり、現場の一般社員は「成果はない」となることが多々あります。

経営者と現場の思いのずれが、表面化せず進捗に影響が出てくる可能性があります。

3:息切れする

進めていると、想定外の問題が出てきます。
解消しつつ、全社にフィードバックしていくのは、なかなか大変です。

最初は張り切っていたプロジェクトチームも、徐々に他の業務に押されてしまい、遅れ気味になる。そういうことが発生します。

4:レベルが揃わない

ある部署ではうまくいっているが、ある部署ではうまくいっていない。こういう場合も発生します。

特に手探り状態の初期の頃は、他部署を参考にすることもできず、そのままとん挫する、または進捗が遅れる、ということがあります。

5:方向修正しづらい

運用していると、もっといい方法がある、など思いつくことがあります。

一部の部署であれば簡単に修正できますが、全社となると方向修正は難しくなり、迷走することにつながります。

小さく始める方法とメリット

横断的に小規模で進める

各部署から人選し、試験導入してみるという方法です。

例えばテレワークなどは、職種や業務内容で合う合わないがあります。
それを見極めるために、幅広く各部署を対象としながらも人の対象を絞るような方法です。

巻き込む先は大きくなりますが、多種多様な情報が集まるというメリットがあります。
例えば、この部署ではうまくいった、この部署ではだめだった、というような情報ですが、今後全社展開するのに非常に有用な情報となります。

範囲を狭めて小規模で進める

1部署に絞って集中的に取り組んでみる、という方法です。1部署で行うので、命令系統もシンプルで済みます。

メリットは、部署で出た成功例・失敗例を、他部署に横展開することが可能であることです。そして、うまく進んだなら、その部署のメンバーは推進メンバーになるということです。

部署の選択は、簡単に始められそうな総務部門であるとか、他には時間外作業が多い部署や、会社の中でも主力の部署のような、特徴のある部署を選択するのもいいかと思います。

注意すること

小さな試験運用の終わりは、次の展開の始まり

よくありがちな話ですが、「小さく始めてみました。結果が出ました」の後のスケジュールが無いものがあります。

小さく始めたものは、全社展開の試験運用のはずです。
そしてこの試験運用には当然、想定外の事態が発生しうまくいかなかったという反省点が多く出てきます。そういう反省点ばかりを見てると、試験的にやったことだけで疲れ切ってしまい、先に進まなくなることになります。

小さく運用 → 検証 → 全社(他部署)への適用プラン作成 …のように、小さく始めたものは「試験運用」にすぎず、全体スケジュールの中の一つでしかないことを意識してください。
試験運用の終わりは、次の展開の始まりです。

経営者が関与すること

最終地点は、全社のはずです。
全社に導入する前に、小さな部署で試しに導入しているはず。であれば、「小さく始めた」全ての報告は経営者が把握していく必要があります。

自社を強くするための経営改革である「働き方改革」。うまく進むのかどうなのか。経営者は試験運用時点からきちんと把握してください。

さいごに

色々考えて計画していくと、一気に改革を進めたくなる気持ちはわかります。
社員全員が同じ思いであれば問題ありませんが、そうとも限りません。

急がば回れの気持ちで、一回踏みとどまって小さく進めることが、成功までの近道だと思います。

大きく考え、小さく始める。

そのことで、たとえ遠回りでも確実に働き方改革を推進していくことができるようになります。


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